もちろん、いろんな雑貨屋があり、一概にお店を比較して言えないことなので、これはあくまで私の経験則だけのお話になってしまいますのでご了承ください。
売れるモノとそうでないモノに差がありすぎる
お店で取り扱う商品は多種多様です。
しかし、共通しているのは品数がとにかく多いことではないでしょうか。
中には、「誰がこれ買うの?」といった商品もあったりします。
例えば、うちのお店だとこういうよくわからないぬいぐるみとかありました。
私が働いていたお店では、カバンや衣類、文房具や化粧品、電化製品に装飾品、人気キャラクターグッズ、ぬいぐるみ、海外製の謎フィギュアなど、商品数は豊富でした。
ドン・キホーテや東急ハンズのような雑貨の大手もだいたいそんな感じですよね。
お店にそれだけの大量の商品が置かれるという事は、全てが同じように売れるとは限りません。
とはいえ、売れない商品を抱えて埃を被らせるわけにもいかないので、経営者は売れ筋の商品をしっかりとリサーチする必要があります。
ところが、小売という業界は取引先との関係上、選り好みした商品だけを扱う事はできないんです。
力関係がどちらにあるかにもよると思うのですが、例えば
「A社の人気商品をりんりん雑貨へ優先的に卸す代わりに、他の商品も取り扱って欲しい」
とか、商品を卸す会社とのやりとりがあるわけです。
つまり、「売れる商品だけを仕入れる」というのはなかなかまかり通らないわけなんです。
そんなわけだから、雑貨屋は薄利多売なんです。
「確実に売れそうだ」という商品と「売れるかどうかよくわからない」という商品もお店に置かないといけない上、捌かないことには新しい商品を仕入れる事もできなくなってしまいますから。
売れ筋商品は単価が安いものが多い
お店の客層にもよると思うのですが、例えばキャラクターグッズなんかを多く扱うお店だと、メインターゲットは若い人です。
私のお店では、キャラクターがデザインされた文房具やタオル、ハンカチを多く取り扱っていました。
こういう商品、とてもよく売れるのですが、一個あたりの単価が非常に安いです。
だから大量に捌かないといけないのですが、雑貨屋なのでその商品だけを扱っているわけではないですよね。
つまり、特定の商品だけが売れるからといって、それだけの売り上げでは大きな利益にならないのです。
だったら、単価の高い高額な商品を扱えばいいって思うかもしれませんが、賢い消費者は、そういうものは専門店で買った方が良いものがあるって知っています。
うちのお店ではネックレスや指輪のようなアクセサリーなんかも結構扱っていましたが、結構マイナーなブランドが多かったです。
有名ブランドに比べればかなり安い方なのですが、それでもそこそこの値段はします。
そのため、ブランドにこだわらない人が買って行くのですが、人気商品ってほどには売れません。
やっぱり中途半端に安い値段のマイナーブランドなら、もうちょっと高いブランド物にするかって考える人の方が多いみたいです。
それでも買って行くのは、ちょっと背伸びしたい学生さんが多かった印象です。
でも彼らの少ないお小遣いではそんなに頻繁に買えるような物じゃないですもんね。
商品の不良が多い
以前にこんな記事を書いたのですが、

雑貨屋は、とにかく商品をお客さんに魅力的に見せるため、展示の仕方を工夫します。
中には、実際に箱から出して展示したりもするのですが、その過程で状態が悪くなってしまう事があるんですよね。
「仕入れた商品が全部売り物になるとは限らない」なんて、非効率にも程があります。
また、展示品だけでなく、普通に売られる商品にも不良品が多いです。
例えば電化製品とかにしても、電気屋で見るような国産メーカーではなく、あまり聞きなれないメーカーの商品が多いと思いません?
高額な商品を扱わない雑貨屋では、海外メーカーの安物が多いです。
もちろん、国産じゃないから質が低いって訳ではないのですけど、やはり値段が安いせいか、とても壊れやすいのです。
こういう製品はあくまで見た目のデザインやインパクトを重視しているため、長く使っていけるように作られていないので仕方がないのですが、それでもひどい時は、10個中1,2個程度の初期不良が見つかったりして、お客さんに売るには心配になるレベルの商品もあったりしました。
不良品は電化製品だけに限った話ではありません。
例えば、ぬいぐるみや衣料品なら目立つ汚れがついているとか、フィギュアの腕が取れてしまっているとか、仕入れた時点で売り物にならない物もあるのです。
そんなわけで、不良品が出ればそれだけお店が損をするため、こういう部分でもマイナスになってしまうわけなんですね。
万引きが多い
これが本当に馬鹿になりません。
雑貨屋は万引きがとても多いんです。
商品が大量に陳列されているため、どうしても店の隅々まで目が行き届かないので、死角を作りやすいためでもあります。
もちろん防犯カメラも設置していますが、四六時中監視しているわけでもないので、正直言ってしまうと「防犯カメラで見ているぞ」という抑止効果の意味合いが強いです。
一人一人見つけて検挙していたらキリがないですからね。
言うまでもなく、万引きはそのままお店の売り上げロスに直結します。
また、こういうのは小さくて高額な商品が狙われやすいです。
私のお店では、アクセサリーやキーケースなんかが狙われたりしました。
悪質な時には、鍵付きのガラスケースを割って商品を奪っていかれた事もあります。
もはや万引きというよりも強盗です。
もちろん警察には通報しますが、多くの場合、商品は返って来ることはなく、泣き寝入りする事になります。
このように、万引きによる売り上げへの影響はかなり大きいのです。
結論:雑貨屋は儲からない
「結論」とするにはちょっと安直かもしれませんが、このように多くの場合、雑貨屋は全然儲からないのです。
上記のようにいくつものリスクがあるため、商品の売り上げだけに依存しない経営方針か、他と圧倒的な差別化を図ったお店でもない限り、結局大手どころしか残らないんですよ。
私がいたお店も、こういう原因がずーっと続いて赤字だったので潰れました。
はい、そうなんです。私がいたお店も今は亡き雑貨屋なのですよ。
しかし、雑貨屋で扱う商品自体は非常に魅力的なものがたくさんあります。
お店は儲からなくても、雑貨屋の商品を眺めるのが嫌いな人はあんまりいないはずです。
そのため、商品は売れなくても、人は結構集まったりします。
そういう部分をもっとうまく利用していければ可能性は色々とあると思うんですけどね。
お店で働くのも楽しいですし。