大変!だけど楽しい雑貨屋の棚卸し作業
みなさんは、棚卸しという作業をご存知でしょうか。
決算日が近くなった会社では、商品の在庫数がどれだけあるのかを調べ、その金額を計算するのです。
要するに、売り上げとは別に、商品としてこれから売っていくものがどれだけお店の中にあるのかを具体的に金額でだす訳ですね。
雑貨屋は、この作業がものすごく大変なんです。
今の時代、こういうのは全部コンピューター管理にしてしまえばすぐに分かりそうなものですが、やっぱり導入にはコストがかかるのでしょうか。
私のお店ではこれを全部手作業で行なっていました。
都心にあるようなショッピングモールの一角に店舗を構えるようなお店ではなく、駐車場もついている郊外のお店なので、結構広いのです。
そのため、商品数も結構あるために、これを一つ一つ手作業で数えるから大変と言う訳です。
棚卸しの何が大変だったのか、色々と書いていきますね。
とにかく人手が足りない!
お店は忙しい時期をのぞいて2人でシフトに入るのが基本です。
クリスマスの時期になると4、5人で対応しますが、普段は2人です。
しかし、この棚卸しに限ってはその上限もなく、出られる従業員は全員参加となります。
それでも足りないので他店からのヘルプも呼びます。
普段2人で対応できるお店に、他店舗の従業員含めて20人くらい集まるのです。
それでも人手が足りない場合は臨時でバイトを雇う事もありました。
陳列している商品だけでなく、天井に吊るしている商品も数えないといけない
棚に陳列している商品なら数えるのはとても簡単です。
しかし、雑貨屋では、天井から商品を吊るしたり、ちょっと変わった展示方法をとる事もあるので、これらも全部外して数えないといけないのでした。
自分の背よりもずっと高い3m脚立を使って、商品を外す作業は結構しんどいです。
取り外したあとはもう一度取り付けるので、さらに手間でした。
知らない商品が混じっている・・・
これが本当に謎なのですが、時々お店のJANコードにない商品が混じっている事があります。
JANとは、いわゆるお店の商品につけられている番号で、この番号で実際の商品を管理しているのです。
そのコードがついていないと言うことは、つまりうちのお店の商品じゃないと言うことです。
なんでうちの商品じゃないのに普通にお店に並んでいるんだ・・・といつも不思議でした。
店長曰く、たまに子供がこういういたずらをするんだとか。
おもちゃの小さいフィギュアや、キーホルダーなんかでよく見つかりました。
いずれにしても、売り物なのかどうかすぐに判別がつかないため、ここで時間を取られてしまうのです。
売り物になるのかどうかも怪しいものが見つかる
上であげたうちの商品じゃないものも問題ですが、うちの商品だと分かっても数えるかどうか躊躇してしまうものも結構ありました。
どういう事かというと、数えている時に不良品が結構見つかるのです。
一応、お店では商品整理を毎日行なっているのですが、それでも棚の奥に潜んでいるような商品に気づかず、長い間放置されているものが結構存在します。
こういうものが、棚卸しの時に結構見つかって、初めて不良品である事を認識する事が多いのでした。
こんな感じで、「本当に売り物としてカウントしても良いのか」「黙って気づかないフリして商品にカウントしてしまおう」という葛藤が生まれるんですよね。
お店の偉い人(店舗じゃなくて本社とかで働いている人)は不良品の存在をとにかく嫌います。
ちょっと見た目が悪くなっているくらいだと「まだ使えるでしょ」と言って不良品の扱いにしない事もあるのです。
そのために店長もなるべく不良品は出さないようにと言ってくるのですが、どうしたって不良品は出てしまいます。
そういうものは一個一個に不良品理由を書類に記入したり、非常に手間がかかるため、ただでさえ忙しい棚卸しの時に見つかると見て見ぬふりをしたくなってしまうんですよね。
それでも、いろんな商品の発見があったりして楽しい
色々と大変な理由をいくつか挙げましたが、それでもやっぱりいろんな商品を見られるのは楽しいです。
普段気がつかない商品への新しい発見もあるし、お店の区画ごとに数えて最後は整理して元に戻すため、店の隅々まで商品がきちんと並べられて気持ちが良いのでした。
あと、他店のヘルプがうちのお店にくるということは、当然自分も他店へとお邪魔して棚卸しを手伝います。
これがまた楽しいのです。自分のお店にはない事が結構見つかるんですよね。
「この展示の仕方、うちでも真似してみようかな」とか、「この商品うちには置いてない!いいなあ」とか思う事もたくさんあるので、忙しいけどやっぱり楽しいです。
そんな訳で、雑貨屋さんの棚卸しについてでしたが、いかがでしょうか。
いろんな商品に囲まれて黙々と数えたりするだけですが、人見知りな私にはこの作業はちっとも苦痛ではありませんでした。
もちろん、上で書いたような大変な部分もあるけど、基本的には楽しいので、何を言いたいかといえば、やっぱり雑貨屋さんで働くのは楽しい!という事です。