雑貨屋を悩ませる悪質な万引きについて
私が雑貨屋で働いていた頃、店長からよく言われていたのが「万引きには気をつけてね」でした。
確かに、万引きも多いだろうなあとは思っていたのですが、これが思っていた以上に多くて驚きました。
何故こうも多いのでしょうか。今日は、その事についてお話します。
お店に死角が多すぎる
まずはなんといってもこれです。
雑貨屋では、商品をより魅力的に見せるよう、店内での商品の陳列方法を工夫します。
しかしこれが一方で店の通路を狭めたり、視界を塞ぐようになってしまい、死角を作ってしまうのです。
人の目が気にならなくなってしまえば、万引きもしやすくなるというわけです。
万引きが中高生に多い傾向があるため
近年は年寄りの万引きが多いとか報道されたりもしますが、やっぱり依然として多いのは学生、とりわけ中高生の万引きが多いです。
つまり、雑貨屋の客層の問題もあって万引きが多い、と言う事なんですね。
私のお店ではキャラクターグッズやアクセサリー、香水なんかも多く扱っていたので、中高生のお客さんも多かったのです。
もちろんほとんどの学生さんはそんな事をしないし、学校で使う文房具や、お友達のプレゼント用に商品を買っていくんだろうなあとか目的がわかりやすいので、ちょっと微笑ましかったりもするのですが、そうでない人も一部ではいたのでした。
「お金がないから万引きをする」というよりも、ゲーム感覚というか、「タダで手に入ってラッキー」みたいな感じなんですよね。
カバンの口が半分開いて店内をうろついていたら要注意です。
高額な商品が多いのも理由?
スーパーやコンビニの万引きも多いと言われますが、商品のほとんどが数百円なのに対し、雑貨屋は千円以上する商品も多く、中には一万以上する商品もあります。
となると、同じ万引きをするなら高額な商品が置いてあるお店が狙われやすいのです。
防犯カメラはついているけど・・・
お店には当然、防犯カメラもついています。
私のお店では、わざわざモニターをレジの前にも置いて、「いつでも見ているぞアピール」をしていました。
しかし、それでも効果があるようには思えませんでした。
やっぱり、見ているからと言ってそれだけが抑止力になるかというと、微妙みたいです。
実際、こちらも映像で犯行現場を抑えたところで「今、商品取りましたよね?」ってお客さんに詰め寄れないですから。
万引き対策はどんな事をしていたの?
もちろん、ただ取られるばかりではありません。
事前に抑止力となるよう、いくつか対策はしていました。
怪しいお客には積極的に声をかける
あまりお客さんを疑うのはよくないのですが、複数人で入店してくる中高生のグループはよく目を光らせていました。
明らかに怪しい仕草をしていた場合は「お探しの商品がございましたらお声がけください」と声をかけるようにしていました。
あとは、近くの見える位置で商品整理をするとかですね。
これだけでも、だいぶ万引きをやりづらくします。
商品に防犯用のタグをつける
よく、お店の入り口前にゲートがついていて、レジを通してない商品が通ると音が出てドアが開かなくなるシステムってあるじゃないですか。
要は、そのゲートのセンサーが反応するタグを商品に取り付けていました。
これは、ある時期から全ての商品につけるようになって、そのおかげでだいぶ抑止力にはなったと思います。
ただ、全ての商品に取り付けるのは結構な手間だし、取り忘れてお客さんに商品を渡してしまうとセンサーが作動してしまい、迷惑をかけてしまうので、店員としては作業量が増えるので大変でした。
とはいえ、万引きを少しでも減らすため、これは仕方ないですね。
それでも万引きをする人はいる
こうした対策をしていても、やっぱり万引きはあります。
中にはガラスケースを割って中の商品を奪っていったり、防犯用のタグをライターで炙って外していくなどの非常に悪質な輩もいました。
また、確実に万引きをしているのがわかっている場合でも、基本的に咎めるような事はありません。
もしも証拠がなければ、お店の信用にも関わるからです。
結局、お客さんの良心に任せるしかないのが現状でした。
それでも、できる限りの対策はします。
同じ商品が狙われやすいなら、レジの近くに配置したり、お客さんの手の届かない所に置くなり、方法はないわけではないのです。
でも、商品のレイアウトの仕方でお客さんを楽しませたいと思っている私には、そうなってしまうと残念だなーと思ってしまうんですよね。
万引き、ダメ、絶対!
万引きは犯罪です。お店によっては、容赦なく警察に引き渡すところもたくさんあるでしょう。
それで人生を台無しにされるのも、時間を取られてしまうお店の店員も、誰も得をしない事なので、絶対にやめてくださいね。