タイムカプセルって大人になるとやらないのはなぜ?
私が小学生の頃、上級生は決まってタイムカプセルを校庭に埋めていました。
未来の自分宛に手紙を書いて、手のひらサイズの自分の宝物なんかを入れて、十数年後に同窓会をした時に掘り起こすのです。
私はその日、風邪で学校を休んでしまい、一生に一度だったこの機会を逃してしまいました。
今でもちょっと残念に思うのですが、未だにそのカプセルを掘り起こしたという話は聞いておりません。
じゃあ、これから始めればいいじゃないか、と思うかもしれませんが、なんというか、別にそこまでしなくていいかなって気になるんですよね。
だって、今の私はタイムカプセル自体に興味はないですから。
タイムカプセルを子供がやる理由について
人間は年を取るほど、時間の進みを早く感じるようになると言われています。
その人が生きてきた時間は、今までの経験に集約され、情報の取捨選択によって短く感じるとかうんたらかんたら・・・。とにかく、一応それには科学的根拠があるらしいです。
何が言いたいのかというと、大人と子供では時間への感じ方が違う、だからこそ子供の時にタイムカプセルをやるべきなのです。
子供の未来とは、「未知」であり、好奇心への対象です。大人の未来は、「目標」であり、そこまでのプロセスを描くための指標です。
そういう価値観の転換を思い知るのがこのタイムカプセルの醍醐味なのです。
これはきっと、やった本人にしかその衝撃は分からないでしょう。
子供の自分が、大人になった自分に宛てた手紙を読んだ時「自分って、昔はこんな事をバカな事を考えていたんだな」と笑っておしまいにはならないはずです。
だって、そこに書かれている事は紛れもないあなた自身が、未来のあなたに向けて書いた手紙なのですから。
一体、いつから自分はこんな考え方をするようになったんだろうとか、本当の「正しさ」を知った過程があったからこそ、当時の自分の浅はかさや間違いを許容できると思うのです。
タイムカプセルにしてやる意味って?
昔の自分の考えを知るだけなら、単に未来の自分に宛てた手紙を書いて保管しておき、大人になってから読めばいいじゃないかって思うかもしれません。
実際、タイムカプセル郵便というサービスもあります。
それでも良いのですが、私はタイムカプセルにしてやるからこそ、意味があると思っています。
子供に「未来の自分に宛てた手紙」と言っても、いまいちピンときません。
「未来の自分」と言っても、その当時の子供だった自分が想像しうる「未来の自分」なので、あまり興味も示さないんですよね。
ただ、これを「タイムカプセルに埋めるよ」と、実際にカプセルを見せると俄然やる気を出すんですよ。
子供の想像するタイムスリップをする道具って、ドラえもんの「タイムマシン」だったりしますから、限りなくそういうものに近いって分かるとあれこれ未来に想像を馳せてくれるんです。
カプセルは自前で用意するのも良いですが、こういうちゃんとした商品を買った方が埋めた時の水の浸食を防げるし、何よりデザインが未来っぽいので子供も興味を示しますよ。
ちなみに本格的な奴はとても大きいし、かなり高価です。
これなんかは防水のステンレスで200年も持つのだとか。
タイムカプセルをやる時に気をつける事
地面への埋め方なんかは、他のサイトを確認してみてください。申し訳ないですが、私もタイムマシンのプロという訳ではないので。
基本的に水による侵食と埋める場所を忘れないようにすれば特に問題はないかと思いますけどね。
大事なのは、タイムカプセルに何を入れるのかという事です。
その当時の流行りものなんかを入れたりする人も多いみたいですが、重要なのはその時の自分が何を考えていたか、何に夢中になっていたか、何を楽しいと思ってたか、何を大事に思っているかです。
その「想い」が強ければ強いほど、大人になった時に当時の記憶が鮮明になる事でしょう。
だから、当時の自分の考えを知るために手紙は必ずと言っていいほど入れるんです。もちろん子供はそんな事まで考えてタイムマシンに入れようとはしません。
悪ふざけで思い入れのないものを入れようとするかもしれないので、その辺りは大人たちがちゃんと見極めてあげるといいですね。
一生に一度の素敵な体験を
子供の時にやるからこそ、タイムカプセルに意味はあるし、その時の経験は一生に一度きりのものになります。
もし、このブログを読んでいる方の中にお子さんをお持ちで、小学校なんかでタイムカプセルをやる機会がないという人は、ぜひやってあげてください。
掘り起こして当時の自分を知った時、きっと言葉には出来ない衝撃を一生抱くことになるでしょう。
その経験が出来なかった私は、この感動をお伝えする事が出来ませんが、もしやっていれば、きっと胸に深く刻まれたんだろうなあと今でも思うのです。