懐かしい?まったく見かけなくなったオーディオ製品
私がまだ小さかった頃、家にはコンポと呼ばれる、大きなスピーカーのついたオーディオ機器がありました。
メタリックなボディに木目のついたスピーカー、パワフルなサウンドで、親が家で音楽を聴くのによく使ってたんですよね。
今にして思えば、音の良し悪しとか、機能が優れているのかどうかなんて分からないけど、部屋のインテリアとしてなんとなく映えるなーと思います。
ただ、今ではすっかり使う機会もなくなり、数年前に母がリサイクルショップに出してしまいました。
「結構いいやつ買ったんだけどねえ」と、ちょっと名残惜しそうにしてましたが、すっかり埃を被って場所を取るコンポは、我が家ではもう不要なのでした。
ステレオコンポが廃れた理由
やっぱり一番はCDを買う機会がなくなった事、そして音楽はパソコンやスマホで聴くのが当たり前になった事でしょう。
手元のスマホでいつでも音楽が聴けるのに、かさばるCDを買って専用の再生機器を使って聴く必要がないですもんね。
それに、Bluetooth対応のスピーカーを使えば、コンポのスピーカーを使わなくても大音量で音楽を流すことが出来ます。

そんな訳で、わざわざコンポを使うメリットってほとんどないんですよね。
MDって知ってる?
購入したり、レンタル店で借りたCDの音源を取り込む時、このMDに録音していたのです。録音したMDはカーステレオなんかに積んで、ドライブする時なんかによく流していました。
今ならパソコンに取り込んでmp3とかにして再生すると思いますが、昔はまだmp3プレーヤーはデータ容量が小さく、当時の携帯(ガラケー)などでは再生出来ない規格だったので普及していませんでした。
それで多くの人はCDから取り込んだ音源をMDに録音していました。90年代後半から00年代中頃まで、MDは一般的な音楽再生用のカセットだったのです。
ソニーのMDウォークマンが人気で、当時の若者ならみんな持っていたそうですよ。
どうしてMDは廃れてしまったの?
2001年、Macから革新的なデザイン、UIを搭載したデジタル音楽プレイヤーが発売されました。
それがipodです。
当時のデジタル音楽プレイヤーは容量が小さく、操作性、音質も最悪でした、しかしipodは圧倒的な操作性、大容量、音楽の同期をするのに小難しい設定や操作が不要という事もあって、次第に広まっていきました。
このipodの登場により、デジタル音楽への移行が急激に進み、結果、アナログなMDは廃れて行ったのです。
そしてMDが不要になれば、当然MDへの録音を行っていたコンポも不要になります。
これがステレオコンポが廃れた最大の理由と言っても良いでしょう。
高音質なオーディオ機器としても残らなかったのは何故?
これだけ立派なスピーカーがついているんだし、ハイエンド機なら今でもそこそこ需要はありそうなものです。
しかし、ステレオコンポはオーディオマニアの間でもあまり使われません。
何故なら、本格的な機材を揃える人にとっては「中途半端」なのです。
再生用デッキ、スピーカーが分離しているコンポですが、結局は購入時にセットなので、CDラジカセのように一体型となっている事には変わりません。
熱心なオーディオマニアは、音楽再生用のデッキと、スピーカーには物凄くこだわります。そのため、スピーカーとデッキはそれぞれ別のもので揃えるのです。
例えるなら、一般の人は、最初から使える状態で組み上がっているノートパソコンを購入するのに、玄人はマザーボード、CPU、メモリなどの部品から揃えて自作するようなものです。
最初から組み上がった状態のコンポには満足しない訳ですね。
だから、ハイエンド機もある事にはあるのですが、あまり需要がないのです。
今でもステレオコンポを使うメリットってある?
コンポの最大の魅力はなんと言ってもこのビジュアルです。「本格的な音楽再生機器」という感じが、インテリアとしても非常に映えるのです。
また、音楽再生に特化した機器なので、細かなボリューム調整、イコライザーによる好みの音色設定、区間リピートや、倍速などの操作が可能です。
そして何よりも、大型スピーカーによるダイナミックな音質も加わるので、ガッツリと音楽を聴き込む人なら持っていて損はありません。
価格も、ハイエンド機はあまり人気がないためか、1〜2万程度で買えるものが多く、決して高くはないです。
最近のコンポはもちろんスマホやパソコンで聴く事も前提に作られているので、CDだけでなくmp3などのデータ音源を取り込んで再生する事も可能です。
逆に、古いレコードやテープ音源をデジタル音源に録音する機能があるコンポもあるので、昔の音源をスマホから聴くようにする事も出来るというわけです。
ステレオコンポまとめ
すっかり廃れてしまった感じのコンポですが、音楽好きの人なら、まだ活躍出来る場所はきっとあると思います。
見た目でインテリアにするのも悪くありません。
機会があれば皆さんも試してみてください。