有人月宇宙船「アポロ17号」は何をするために飛んだのだろう?
アポロ17号はアメリカ合衆国アポロ計画における、最後の月面着陸を果たした有人宇宙飛行船です。
3名を乗せたアポロ17号は1972年12月7日にフロリダ州ケープ・カナベラルのケネディ宇宙センターから打ち上げられました。
月面着陸後、月には3日間滞在します。
目的は、月の地表を調査し、火山活動の有無や地表について分かるサンプルを持ち帰る事でした。
アポロ17号の搭乗員は、無事に調査を終えてサンプルを回収し、帰還しました。
そして人類は、アポロ17号以降、月へと降り立つ事は現在までありません。
アポロ計画はなぜ終了した?
月面調査にかかる費用が調査結果に見合うだけの成果が得られないと判断されたからです。
最終的にアポロ計画にかかった費用はおよそ1350億ドルにもなりました。
当時のアメリカとロシアは冷戦中であり、 互いの軍事技術を見せつける意味合いで宇宙開発を国家の威信をかけて行っていました。
なんな中、 アメリカ大統領の ジョン・F・ケネディは、人類を1960年代までに月へ到達させ、帰還させるという声明を出しました。そして見事1969年にアポロ11号が人類としては初めて月へ降り立ったのです。
アポロ計画その後
当初、アポロ計画ではアポロ20号まで飛ばす予定でしたが、その計画は決して順調ではありませんでした。
1970年4月には、アポロ13号の事故によって世間の関心を集めます。
人命を危険に晒し、それほどのリスクを追って、人類を月へ飛ばすだけのメリットを得らるのか、と、論争になり、結果的に宇宙開発にかかる膨大な費用は費用対コストに見合わないと判断され、NASAは宇宙開発予算を大幅に削減されました。
そのため、結果的に17号が最後の月面着陸を果たした有人宇宙船となったのです。
現在ではアポロ計画当時よりも安全に、より確実に月へと降り立つ技術はあるのですが、やはり開発コストがネックとなっているようですね。
ただ、現在でも有人月飛行計画をする国や、月面基地の計画を目指す宇宙機関もあるため、月への調査が完全に終わってしまったわけではありません。
また、史上初の月面着陸を成功させたアポロ11号の船長ニール・アームストロングは、近い将来、火星への有人飛行があるとすれば、アポロ計画当時の月面着陸よりも容易になるのではと述べているので、今後の宇宙開発にも希望が待てますね。