映画の歴史はここからはじまった!
シネマトグラフとは、撮影と映写の機能を持つ複合映写機です。
今の時代、誰でもスマホで動画撮影を出来るようになりましたが、100年以上前は映像を一枚一枚フィルムに焼き、それを手動で回す事でフィルムを高速で切替え、映像が動いているように見せたのです。
そんな複合映写機を発明したフランスのリュミエール兄弟が、1895年12月28日に、実写映画の商業公開を世界で初めて行った日とされています。
つまり、お金を払って映画を見に行くという文化は、ここからはじまったのです。
ちなみに、世界初の動画撮影機はエジソンのキネトスコープと言われています。
ただ、こちらは映像を覗く形で見るもので、リュミエール兄弟はそれをスクリーンに映すことで大勢の人が見れる形に改良して商業映画の基礎を作ったそうです。
変わりゆく映画の形
映像撮影の機材は、当時は非常に高価な上、音も入りませんでした。
そのため、本格的な映画上映が始まるようになると、映像に合わせて生演奏を入れたり(当時は音楽を再生する機材もなかった)、映像の解説を入れるナレーターが立っていたりしたそうです。
また、テレビもない時代なので、人々の暮らしや流行、街の様子などを流す事で、映像で情報を得るためのニュース的な役割もしていました。
もちろん、演劇の古典や、コメディなんかも早い時期から作られるようになり、あの有名なチャップリンが映画俳優としてデビューするのは1914年なので、初の映画公開から20年も経っていないうちに映画は現在と同じような大衆娯楽として定着していたのです。
やがてカラーフィルムになり、8ミリフィルムなどの登場によって一般人でも動画撮影機材に手が出せるようになってくると、多くのアマチュア映画が登場します。
一方で商業映画はよりスケールの大きな作品が増え、ハリウッド映画と呼ばれるアメリカのハリウッド発の映画会社(20世期フォックスやワーナーブラザーズなど)作品は日本でも公開日には大々的に宣伝されるようになり、80~90年代の商業映画の中心はハリウッド映画でした。
そして現在。ホームシアターや高画質・高音質の機材が普及し、インターネットが広がると、AmazonプライムビデオやNetflixなどの動画配信サービスが広まりました。
最近では、ハリウッド大作並の予算を投じて撮影された作品が劇場公開はせず、Netflixなどで独占公開するなど、映画配給会社としては脅威になりつつあります。
一方で映画館では3Dや4D上映といった、映像が飛び出したり座席が映像によって動いたり、風や水しぶきが出るなどの演出を加える事で、劇場でしか体験できない迫力を売りにする事が多いですね。