世界初の100兆ドル札を発行した国

1980年、ジンバブエという国が建国されました。建国からまだ40年と、比較的新しい国です。
国内で流通する通貨は「ジンバブエ・ドル」で、当初は2〜20ジンバブエ・ドルの単位で発行されました。
しかし、経済政策の失敗により、ハイパーインフレーションを引き起こした事で通貨単位がどんどん大きくなっていき、2009年1月16日にとうとう100兆ジンバブエ・ドルが発行されたのです。
何故100兆円という単位になってしまったのか

その原因を作ったのが、ジンバブエ大統領のロバート・ムガベです。
彼はジンバブエ初代大統領として、建国当初は国の経済を安定させ、教育水準を向上させるなど非常に優秀な政治家として国を発展させてきました。しかし政権が長期化すると次第に彼の権力は強くなっていき、2000年代に入ると白人の土地を強制的に奪うなどの政策を実施するようになりました。
これにより、ジンバブエで農場などを経営する外国人は土地を放棄せざるを得ず、労働者は全員クビになってしまったので失業者が一気に増えてしまいます。
もともとアフリカの貧しい地域だったジンバブエは、外国人労働者や経営者のおかげで経済が発展してきたのに、その人たちを国から追い出してしまえば経済は当然悪化し、治安も悪くなります。
政府は大量に紙幣を刷って国民にお金をばらまきました。
しかし、いくらお金を刷ってもみんな仕事がないのでお金を使う先がありません。そのため、通貨の価値が下がっていき、物価が高騰します。
政府はそれに対応するため、通貨単位を切り上げていったため、次第に通貨の単位は100万、1000万、1億と吊り上っていってしまいました。
それでも物価は高騰するため、とうとう最終的には100兆ジンバブエ・ドルというとんでもない数値になってしまったのです。
ちなみに、100兆ジンバブエ・ドルは末期には0.3円程度の価値しかなくなっていたそうです。
国民はどうやって買い物しているの?

自国の通貨があまりにも信用がないため、海外の通貨やコインを使って買い物をしています。
主に使用されるのはUSドル、コインは南アフリカのランドコインで、自国通貨であるジンバブエ・ドルは使用できないお店も多かったそうです。
ちなみに、価値がなくなったジンバブエ・ドルは結局2009年には国が放棄する事を決めたため、現在は市場に出回っておりません。
しかし、100兆ジンバブエ・ドルなどは、その衝撃の通貨単位で興味を持つ人が多く、実際に購入する事ができます。
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