ポケモンの誕生
1996年2月27日、ゲームボーイソフト『ポケットモンスター 赤・緑 』が発売されました。
ポケモンシリーズの原点であり、社会現象にもなったポケモンは、世界中から愛されるゲームとなりました。
これまでのRPGにはない、最初は敵として登場するポケモンを捕獲し、育成して進化させて他のトレーナー達と戦います。ゲームボーイという携帯ゲームの媒体を生かして、交換や通信対戦を友達と出来る事も、人気の理由でした。
出現するポケモンなどが異なるバージョン商法も、ポケモンの収集に熱心なユーザーの購買力を促した事もあり、全世界で3137万本を売り上げ、ゲームボーイ単体で発売されたソフトとしては最も売れたソフトです。
次回作の『ポケットモンスター金・銀』以降は1〜2年おきに新作・マイナーチェンジ版・リメイク作品が発売されるようになりました。
スピンオフ作品ではポケモン同士を戦わせるだけでなく、パズルやピンボール、レースゲームやアクションゲームなど様々な物が存在します。
何故ここまで人気が出たのか
ポケモンが人気になった理由に、ただストーリーを攻略するだけでなく、収集・育成という別の楽しみ方があった事が挙げられます。
シナリオのクリアだけで満足してしまうこれまでのゲームとは異なり、プレイヤーの中には、友達との通信対戦がメインで、強いポケモンを育てるための手段としてゲームシナリオをクリアするという人までいました。
また、海外ではテレビゲームといえば人間同士を戦わせたり、モンスターやゾンビを痛快に倒していくゲームが人気だったため、「テレビゲームは子供にとっては暴力的だ」と考える人達もいました。
しかしそんな中でポケモンは、人が傷付け合ったりせず、ポケモン同士も戦って死ぬ事はなく、ポケモンの世界ではスポーツのような感覚でおこなわれるので、そうしたコンセプトも非常に高く評価されたのです。
複雑なシステム故にバグも多かった
ポケモンは、比較的シンプルなゲームが作られる事が多かったゲームボーイとしては珍しく、複雑なシステムになりやすいRPGというジャンルを選びました。
さらにポケモンの種類は151匹も存在し、当時のゲームボーイのロム容量はかなりギリギリでした。
そのためか、ゲームのバグも多く、コマンド入力方法によっては突然ポケモンのレベルを100レベルにしてしまったりとバグを使った裏技が小学生を中心に噂が広まっていきました。
しかし、そんなバグ技の中でも特に盛り上がったのが「幻の151匹目のポケモン」でした。
本来、ポケモンの図鑑上には存在しないはずのポケモン「ミュウ」のデータが存在している事で、多くのプレーヤーがこの珍しいポケモンを手に入れようとバグ技に挑戦したのです。
ポケモンの発売元のゲームフリークも、この「ミュウ」のデータは想定していなかったらしく、本来であればボツデータとして日の目を見る事はなかったのだそうです。
しかし、幸か不幸か、ポケモンはバグで誰でも簡単に内部データを弄ることができた結果、この「ミュウ」の存在が知られることになったのです。
その後ゲームフリークはミュウを「幻の151匹目のポケモン」として存在を認め、イベントなどでのみ「ミュウ」のデータを配布しました。
結果的のこのミュウの存在がポケモン人気をさらに拍車をかけたと言われています。